Saccade-based Display

( English version is here )


Picture by Jun KURUMISAWA

Saccade-based Displayは縦1列に並べたLEDを使って、 2次元イメージを提示することが可能です。 このディスプレイはサッカードと呼ばれる高速の眼球運動を利用して 2次元イメージを提示します。 また、このような眼球運動は日常生活の中で無意識のうちに行われており、 この眼球運動をうまく誘発し、見る人の意識的な眼球運動無しに情報提示を行います。

テレビの走査線や下の図の時計(International Signature Machines社 Fantazein)のように、縦のLED列が発光パターンを変化させながら高速で移動すると残像によって2次元イメージが知覚されます。ということは、逆に、LED列は動かず、眼球の回転に合わせてLED列の発光パターンが変化しても、同様の原理によって2次元イメージが知覚可能です。このように、発光パターンが変化するLED列の前を視線が移動することによって2次元イメージが知覚されます。これがこのディスプレイの原理です。

我々は日常生活において、無意識のうちに眼球運動を行っています。例えば、何かを見ているとき、視線は移動しますし、また、視界の何かが光ると反射的に視線はそちらにむかいます。 このディスプレイではこのような自然な眼球運動を利用します。

このディスプレイの目的はサッカードという高速な眼球運動を利用してこれまでにない特徴を持ったディスプレイを実装することです。
このディスプレイの第1の特徴は、情報提示に投影面を必要としないということです。 サッカードを利用することによって、1次元のLEDで情報提示が可能です。 例えば、空中や水中、ガラス窓にイメージを提示することも可能です。
また、スクリーンに投影されたイメージは必ず目に入りますが、 このディスプレイは目を動かさないとイメージは知覚されません。 そして、その眼球運動は無意識な眼球運動です。 これが第2の特徴と言えます。

特許 眼球運動を利用した情報提示装置及び情報提示方法 第4619582号

contact     watanabe.junji(at)lab.ntt.co.jp